恵佑会第2病院がみんなの健康の悩みを解決します
クリスマスパーティーや忘年会、お正月のごちそうなど、イベント続きの年末年始はついつい食べすぎ・飲みすぎになりがちです。胃腸に負担がかかりすぎると、体調を崩して胃痛・腹痛を起こしてしまう可能性も。胃腸の健康を保ちながら、さわやかに新年を迎えるポイントについてまとめました。
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年末のシーズンは、仕事や交友関係での忘年会やクリスマスパーティーなどで、短期間に複数の飲み会に参加する方が多いのではないでしょうか。
さらに、業種にもよりますが、12月下旬からの冬休みがあるために、年末の仕事のスケジュールがタイトになると、ストレスが原因で胃腸へ負担も増大。
ただでさえ仕事が忙しく胃腸に負担がかかっているところに、食べすぎ、飲みすぎで食事のバランスが崩れた生活が続くと、胃腸が正常な状態を保てず、体調を崩したり胃腸の病気にかかってしまう可能性が高まります。
そして、冬休みになった途端、ストレス発散とばかりに、スイーツなどをたくさん食べたり深酒をしたりすると、さらなる胃腸へのダメージが。お正月に食卓にならぶごちそうも、ついつい食べすぎてしまいがちですよね。
寒さの強まる真冬の時期は、風邪やインフルエンザの流行にも気をつけないといけませんが、胃腸も大忙しの年末シーズンは特に、意識して暴飲暴食に注意したいところです。
もし、暴飲暴食で胃腸への負担が大きくなると、どんな病気のリスクがあるのでしょうか?
胃がムカムカしたり、もたれたりする状態が慢性化していった時、まず発症する可能性が高いと考えられるのは急性胃炎や急性胃腸炎です。
急性胃炎を発症すると、吐き気や嘔吐、みぞおちの痛みや膨満感などの自覚症状があらわれます。
胃が健康な状態の時は、強力な胃酸から胃粘膜を守るため胃粘液が分泌されてバランス保たれているのですが、胃痛が慢性化することでこのバランスが崩れ、食べ物を消化する胃酸が過剰に分泌されて胃の粘膜が傷つき、荒れてしまうのです。
胃炎がさらに慢性化していくと、胃潰瘍(いかいよう)などの病気になってしまい、長期的な治療が必要になるケースもあります。
急性胃腸炎はウイルスが原因で発症するケースがほとんどなのですが、胃腸が弱ったり疲労やストレスで身体の免疫力が落ちている状態の時には、発症しやすくなります。
症状は胃だけでなく腸にまで症状が及ぎ、嘔吐や腹痛に加え、発熱や悪寒、下痢、全身のだるさなど、激しい症状に見舞われます。
さて、くどくどと暴飲暴食がもたらす症状を並べましたが、実際のところ、胃腸の病気にかかるとどうなるのでしょうか。
特に症状の激しい急性胃腸炎の場合、胃のむかつきや腹痛に始まり、嘔吐や下痢で何度もトイレへ。そして、高熱と全身のだるさで座ったり立ったりするだけでも辛く、ほとんど行動不能になってしまいます。ここで無理に食事を取れば症状がさらに悪化することも。
筆者もお正月に急性胃腸炎を発症した経験があるのですが、ひどい症状を何とかして欲しいとすがるような思いで病院の緊急外来に行っても、ほとんどの場合は吐き気止めの薬を処方されるだけで、症状が和らぐまで数日間安静にする以外に方法はありません。
暴飲暴食が原因で苦しい胃腸炎になり何日も寝込んでしまっては、せっかくの冬休みが台無しです。
そうならないためにも、ちょっと胃腸の調子がおかしいと感じたら、無理をせず胃腸を休ませるようにして、症状の悪化を防ぐことが大切です。
そこで、胃腸の健康を保ちながら忙しい年末年始を乗り切っていくために、意識しておきたいポイントをまとめました。胃腸の調子が良い時も、飲み会が続いて胃腸がしんどいと感じた時にも役立てて下さいね。
まずは第一に、胃にダメージを与える「食べ過ぎ・飲み過ぎ」を控えることです。数日の間に忘年会などの飲み会が連続する場合は、短期間で胃の疲れが蓄積しないように自制することが大切になります。
特に、肉類やコーヒー、アルコール、強い香辛料、濃い目の紅茶・緑茶などは胃を刺激て胃酸の分泌を促す作用があるため、撮りすぎに注意しましょう。
相次ぐ忘年会で胃のもたれやむかつきなどを感じていても、仕事が忙しく病院に行けない場合、胃腸の調子を整える市販薬を使う方法もあります。
胃腸薬とひとことでいっても、胃酸を和らげるもの、胃の粘膜を保護するもの、食べ物の消化を促進するものなど、さまざまな種類があります。
それらの薬の効果を複数あわせ持ち、幅広い症状に対応する総合胃腸薬などもありますが、自分の症状にマッチした薬を選ぶためには、薬局などで薬剤師に相談するのをおすすめします。
健康を保つヒケツの一つとして、いたるところで言われているのが、「規則正しく、栄養バランスの取れた食事」。これは胃腸の健康を保つだけでなく、身体の免疫力を高め、病気になりにくい状態を保つという点でも大切です。
年末年始のシーズンは現実的になかなか難しいかも知れませんが、それでも、せめて自宅での夕食では鍋物やうどんなど消化に良いものを食べる、食事の間隔が不規則にならないようにするなど、「自分でコントロールできる範囲」のなかではできるだけ胃腸に負担をかけないよう意識することで、普段の飲食に関する行動が一つ一つ変わってくるはずです。
ぜひ、健康でさわやかな状態でお正月を迎えている自分をイメージしながら、忙しい年末を乗り切っていただければと思います。
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