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食道光線力学的療法
(PDT)について

食道光線力学的療法(PDT)について

食道光線力学的療法とは?

当院では北海道で初となる食道癌に対する光線力学療法を導入しました。光線力学療法とは、Photodynamic Therapyの頭文字をとってPDTと呼ばれることもあるレーザー光線を用いた治療法のことです。レーザー治療と聞くと、レーザーでがん組織を焼き切るのかな?と思われがちですが、光線力学療法で使用するレーザー光線は非常に出力の弱いレーザー光線を使います。
一般的な組織を焼き切るレーザー光線は約40W(40,000mW)と高出力ですが、光線力学療法で使用するレーザー光線は、200分の1の200mW前後の弱いレーザー光線です。手をかざしてもなんともない程度です。光線力学療法の施術では、まず腫瘍親和性光感受性物質(しゅようしんわせいひかりかんじゅせいぶっしつ)を静脈に注射します。

光感受性物質を清脈内に注射 光感受性物質を清脈内に注射

難しい呼び名ですが、がんの腫瘍と結びつきやすい物質です。すると腫瘍親和性光感受性物質はがん細胞と結びつきます。正常な細胞にも結びつきますが、がん細胞は正常な細胞の約4倍薬と結びつくスピードが速いという特徴があります。

腫瘍組織に光感受性物質が集まる 腫瘍組織に光感受性物質が集まる

腫瘍親和性光感受性物質はレーザー光線と非常によく反応しますので、がん組織に薬が結びついた時間になると、内視鏡を口から挿入し先からレーザー光線をがん組織に照射します。

内視鏡を用いて腫瘍組織にレーザー光照射 内視鏡を用いて腫瘍組織に
レーザー光照射
【拡大図】

光線力学療法では、従来の治療では正常な組織まで傷つけてしまうことがあったのですが、がん組織に選択的にレーザー照射できますので、正常な組織をほとんど傷つけることなく、患者の肉体的負担が非常に少ないというメリットがあります。治療時間も1~2時間程度です。
恵佑会第2病院では食道癌内視鏡治療の日本有数の実績を誇る病院として北海道で初めてこの治療法を2016年5月16日より導入しました。

偶発症(治療後気をつけなくてはならない事)の一例は…

光感受性を高める作用があるため投与後に2週間程度、光線過敏症(日焼けのような症状)に気を付ける必要がありますが当院看護師が説明・治療後のフォロー致しますので安心して治療をうけていただけます。

どんな人が治療の対象になりますか?

食道癌化学放射線療法または放射線療法後、もしくは癌が遺残(残っている)か再発した患者様に該当する内科的サルベージ治療です。
※対象にならない場合もありますので、詳しくは医師にご相談ください。

保険適用になるの?

2015年10月1日より食道癌に対するPDTが保険適用となり治療の選択肢が広がりました。詳しくは病院にお問合せください。

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